教室で子供達をよく見ていると、驚かされることがあります。

それは、観察力です。

子供は見ていないようで、周りのことを見ています。

たとえば、自分以外の子のテストや模試の結果をさりげなく確認していたり、トイレに立つ時に周りの子がどんな問題をやっているかをチェックしています。

先日も、学校に提出する文章をタブレットでやっている子がいました。その隣から食い入るように見つめる視線があり、何を見ているのかと思ったら「キーボードを打つ速さとローマ字入力ができることがすごいと思って…」と教えてくれました。

その子は現在ひらがなフリック入力で、キーボードは練習中だからと言いながら焦っているようでした。

 

よく「他人と比べることは良くない」と言われますが、子供自身がこれだけ他人を意識して比べているのですから、良くないとか言って蓋をしてしまうのはどうかなと思います。

たとえ大人が比べなくても、子供は周りと比べて自分ができるかできないかの立ち位置を肌で感じるものです。

それを「あなたはあなた。周りと比べてできないとかじゃなく、自分を持って」なんて言われても納得できませんよね。

 

絶対評価と相対評価にも似ていますが、この両方が必要なのではないかと思います。

なぜかというと、子供は小学生といってもまだ未熟で、見てはいるけれど本当の部分までは見れていないからです。

 

小学校受験の幼児部で、こんなことがありました。

 

ボールでまりつき(ドリブル)をしながら、三角コーンを回って戻ってくるというレッスン中のことです。

Aくんは、たどたどしい手つきで遅かったのですが、ゆっくりながらも着実に進みゴールしました。

Bくんは、適当にまりつきしては手で持って走り、すごい速さでゴールしました。

それ以外にも何人かが参加していたため、お互いの様子を見てはいませんでした。

 

その後の雑談中に、Aくんが「ぼくは全然できないからダメだ」とがっくりしながら話しに来ました。 それを聞いてAくんは自分のことに集中していて、Bくんがズルしていたことが見えていないのだとすぐに気付きました。

そこで「Bくんは手で持って走ったから速かっただけだよ」と教えると

Aくん「え?それってズルだよね?」と複雑な顔。

もちろんBくんにはレッスンの後に指導してあったのでそのことも話すと、

Aくん「ズルして勝つのは嫌だな。だから、ぼくはもっとお家で練習する!」 と爽やかに言いました。

 

このケースからもわかるように、子供に対して「周りと比べない」というよりも、事実を伝えることの方が大切な気がします。

 

模試やテストで結果が出た時も、もしダメだったらハッキリと「これは予選突破できない点数です」と伝えます。そして、このままではダメだからどうしたらいいか?を一緒に考えるのです。他の子はこうだったということも事実だけ伝えます。

「○○くんは~点だったけど、僕はそれより良かった」という発言を子供がしたときは、要注意で「だから何なの?○○君に勝つための勉強をしているの?」と目的を見失わないようきちんと注意します。

「周りと比べて」天狗になったり、卑屈にならないこと。

それが大事なのであって、周りと比べること自体はうまく使っていけばいいのだと思います。

そうは言ってもなかなか難しいのもよくわかります。

私自身、試行錯誤の真っただ中です。

失敗して子供の気持ちを萎えさせてしまったこともあります。

 

大手塾のスーパー講師ではないので、そんなところもざっくばらんで、正直に謝ったり、本音でぶつかりながら向き合っています。

子供の成長と共に、私自身も成長させてもらって、昨日より今日・今日より明日をより良くするために日々勉強しています。

他人と比べたとしても、堂々としていられる自分でありたいものです。